2019年8月14日水曜日

航空輸送の安全にかかわる情報の中間報告 航空法第111条の4に基づく報告一覧(平成30年4月~平成31年3月) 航空輸送の安全にかかわる情報(平成30年度)別冊

【外部リンク】
https://www.mlit.go.jp/report/press/kouku10_hh_000146.html
平成30年度上半期に発生した「航空運送分野」の安全情報の公表
~「第24回航空安全情報分析委員会」の結果概要~

(2) 平成30年度上半期に航空運送事業者において発生した航空事故、重大インシデントその他の安全上の支障を及ぼす事態について、評価・分析を行うとともにとりまとめを行い、その内容を「航空輸送の安全にかかわる情報の中間報告(平成30年度上半期)」として以下のURLにおいて公表することとしました。(概要は別紙2参照)。
http://www.mlit.go.jp/koku/15_bf_000188.html

添付資料
平成30年度上半期に発生した「航空運送分野」の安全情報の公表(PDF形式)PDF形式

別紙1(PDF形式)PDF形式

別紙2(PDF形式)PDF形式

https://www.mlit.go.jp/common/001269527.pdf
航空輸送の安全にかかわる情報の中間報告(平成 30 年度上半期)
(要約版)
1.安全上のトラブル等の発生の概況
(1)平成 30 年度上半期の本邦航空運送事業者における航空事故、重大インシデント及び
安全上のトラブル(以下これらをまとめて「安全上のトラブル等」といいます。)の発生
件数は、487 件(航空事故 6 件、重大インシデント 2 件、安全上のトラブル 479 件)注1
でした。このうち、航空事故及び重大インシデントの概要は、以下のとおりです。
○ 航空事故(6 件)
 平成 30 年 4 月 15 日、せとうち SEAPLANES 機(境ガ浜沖→同左、クエスト式 Kodiak
100 型)が離着水訓練中、フロートと胴体を結合する支柱、胴体等を破損した。
 平成 30 年 6 月 6 日、エアージャパン機(ホーチミン→成田国際空港、ボーイング
式 767-300 型)がホーチミンにおいて地上走行中にブレーキをかけた際、客室乗
務員 5 名が負傷(内 1 名が左腰椎横突起骨折)した。

https://www.mlit.go.jp/common/001301478.pdf
主要事案の概要及びこれに対する措置
(平成 30 年度に発生したもの注1)
1.航空事故(航空法施行規則第 221 条の 2 第 1 号)
事案番号注2
30-1 事業者名 せとうち SEAPLANES
発生日時 平成 30 年 4 月 15 日 11 時 13 分頃 発生場所 広島県尾道市浦崎町境が浜沖
出発地/最初の着陸予定地 広島県尾道市浦崎町境が浜沖/同左 便 名 (訓練機)
航 空 機 クエスト式 Kodiak 100 型(JA02TG) 機体の損壊等
フロートと胴体を結合する支柱の折損、取
付構造部の損傷等
搭 乗 者 計 2 名 死傷者 なし
概 要
左席に機長、右席に別の機長資格保有者が着席して慣熟飛行中、機長が着水時に衝撃及び異音を
感じたため復行した。フロートを支える右前方支柱が損傷した可能性があったため、目的地を岡南飛
行場に変更し、同機は同飛行場に緊急着陸した。到着後の点検で、右前方支柱の破断及び取付構
造部の損傷が判明した。
航空会社
に よ る
要因分析
①右席に機長資格保有者が同乗する際の飛行実施要領を定めておらず、着水時、機首が左へ偏向
したため、機長は復行を決心したが、右席の機長資格保有者の「なぜ Power をだすのか」の声で操
作を躊躇したため、機体が不安定となった。
②機首が左へ偏向したのは、横風時の機長の操作(Rudder と Aileron)が不十分であったため、機体
が横滑りして接水し、フロートに横方向の負荷がかかった可能性がある。
航空会社
による対策
①横風時の離着水に関する留意点を周知。
②機長の知識及び技量を定期的に確認する。
③技量維持・慣熟訓練を追加し規程化した。
④技量維持・慣熟訓練等で機長以外が操縦する際の役割分担を規程化した。
⑤復行の判断基準やテイクオーバーの判断基準及び実施要領を規程化した。
航 空 局
の 措 置 会社の要因分析及び対策内容を確認した。
備 考
平成 30 年 11 月 29 日に公表された運輸安全委員会による調査報告書によると、原因は以下のとお
り。
・本事故は、同機が着水時の復行を中断した後にバウンドを繰り返す中で激しく着水したため、機体
を損傷したものと考えられる。
・同機がバウンドを繰り返す中で激しく着水したことについては、機長がパワーの増減と機首姿勢の
制御によってバウンドを収束させることができず、その後も復行を行わずにこの制御を続けたことに
よるものと考えられる。

注1 平成 30 年度上半期の主要事案については、「航空輸送の安全にかかわる情報の中間報告(平成 30 年度上
半期)」のとりまとめ時点からの変更点を下線で示します。
注2 平成 30 年度上半期の主要事案と合わせて通し番号を付しています。
別添 1-2
事案番号 30-2 事業者名 エアージャパン
発生日時 平成 30 年 6 月 6 日 9 時 10 分頃注3 発生場所 ホーチミン誘導路上
出発地/最初の着陸予定地 ホーチミン/成田国際空港 便 名 ANA834
航 空 機 ボーイング式 767-300 型(JA612A) 機体の損壊等 なし
搭 乗 者 乗務員 11 名、乗客 197 名(計 208 名) 死傷者 客室乗務員 1 名が左腰椎横突起骨折
客室乗務員 4 名が捻挫等の軽傷
概 要
ホーチミン出発時の地上走行中に操縦士が誘導路右折のため減速したときに強めのブレーキ操作と
なり、離陸前の準備を行っていた客室乗務員 9 名の内、4 名が転倒、1 名が肘かけに手をついた。
主客室乗務員から既に着席中の旅客に問題はなく、全客室乗務員の乗務に支障がない旨の申告が
あったことから、機長は運航継続が可能と判断し成田まで運航した。
成田国際空港到着後、当該 5 名の客室乗務員について念のため病院を受診させたところ、1 名が左
腰椎横突起骨折の診断を受けた。
航空会社
に よ る
要因分析
①管制機関から誘導路 NS、NS2、E8 及び E6 を走行するよう指示された。誘導路 E8 は 2018 年 1 月
から供用され、機長、副操縦士ともに走行するのは初めてであったが、ブリーフィングにおいて事前
確認を十分に行っていたため、機長は PF である副操縦士の操作について心配していなかった。
②副操縦士は、誘導路 NS2 を走行中、誘導路 E8 の先に滑走路があることを認識し、誘導路 E8 への
右折のため、E8 TAXI Way サインボードを探していた。誘導路 E8 の一つ手前に設定されている誘導
路 E6 の通過時に、機長は「Next Right」とアサーションした際、副操縦士は誘導路 E8 のサインボー
ドを見つけられずにおり、探していたが、確認のための減速を行わなかった。
③誘導路 E8 手前で、機長が「Right Turn Here」とアサーションするとほぼ同時に、副操縦士は E8 へ
続くセンターライン(カーブライン)を認識したが、旋回開始地点を過ぎてしまうと思い、とっさにブレー
キを強く踏んだ。
航空会社
による対策
(1)個別対策
①当該副操縦士及び機長に対して各種訓練及び臨時審査を行い、乗務アサイン停止を解除した。
(2)組織対策
①全運航乗務員に対し事例紹介及び注意喚起を行った。
②全客室乗務員に対し事例紹介及び注意喚起を行った。
③安全統括管理者から安全最優先の業務実施についてメッセージを発行した。
④社内事故調査会での要因分析に基づき必要な対策を検討する。
ベトナム航空当局の調査結果を踏まえ、必要な対策を検討する。
航 空 局
の 措 置
①会社の要因分析及び再発防止策を引き続きフォローする。
②ベトナム航空当局の調査結果を踏まえ、必要な追加措置を実施する。
備 考 ベトナム航空当局が調査中。

主要事案の概要及びこれに対する措置
(平成 29 年度に発生した事案のうち進展のあったもの注1)
1.航空事故(航空法施行規則第 221 条の 2 第 1 号)
事案番号注 2
29-1 事業者名 春秋航空日本
発 生 日 時 平成 29 年 10 月 22 日 13 時 30 分頃 発生場所 熊本空港の東北東約 40 キロメートル、高
度約 4,500 メートル
出発地/最初の着陸予定地 成田国際空港/佐賀空港 便 名 SJO701
航 空 機 ボーイング式 737-800 型(JA03GR) 機体の損壊等 なし
搭 乗 者 乗務員 6 名、乗客 128 名(計 134 名) 死傷者 客室乗務員 1 名:第 2 腰椎骨折
概 要 成田国際空港を離陸し、佐賀空港へ向け降下中、ショルダーハーネスをした着席状態で強い揺れに
遭遇した客室乗務員 1 名が負傷した。
航 空 会 社
に よ る
要 因 分 析
会社は、降下中のベルト着用サイン点灯時に、当該客室乗務員がシートベルト及びショルダーハー
ネスを着用し機体の揺れに備えていた際、乱気流による機体の大きな動揺によって腰椎に何らかの
力が作用したことにより負傷したものと推定。
航 空 会 社
に よ る 対 策
(1)運航部
①当該事象や他社事例を共有した。
②訓練審査の重点項目に「乱気流遭遇時の事故防止」を追加設定し対応を確認した。
(2)客室部
①当該事象と対策を周知した。
②「着席時の注意事項」を規程に追加し、それに伴う教育を実施した。
③負傷予防体操を実施することとした。
④退勤時に健康状態を報告できる体制を構築した。
航 空 局
の 措 置 会社の要因分析及び対策内容を確認した。
備 考
平成 31 年 3 月 28 日に公表された運輸安全委員会による調査報告書によると、原因は以下のとお
り。
・本事故は、同機が降下中、乱気流に遭遇し機体が大きく動揺したためシートベルトを着用して着席
していた客室乗務員が腰を強打し腰椎圧迫骨折に至ったものと考える。
・シートベルトを着用していたにも関わらず、骨折に至ったことについては、機体の動揺によって腰を
強打したことに加え、背中が背もたれから離れた前傾姿勢であったため、腰椎にかかる負荷が増
大したことが関与した可能性が考えられる。

https://www.mlit.go.jp/common/001299736.pdf

航空法第111条の4に基づく報告一覧(平成30年4月~平成31年3月)
航空輸送の安全にかかわる情報(平成30年度)別冊
日付 報告会社名 航空機型式 登録記号 出発地 目的地 事態の概要 備考
4/1 せとうちSEAPLANES クエスト式Kodiak 100型 JA02TG 境ガ浜 広島空港 離着陸訓練中、脚上げ操作をしたところ前脚(右側)が格納されたこ
とを示すライトが点灯しなかった。 イレギュラー運航
4/1 Peach・Aviation エアバス式A320-214型 JA813P 福岡空港 関西国際空港 飛行中、航空機衝突防止装置に不具合が発生したことを示す計器
表示があった。
4/1 エアアジア・ジャパン エアバス式A320-216型 JA01DJ 新千歳空港 中部国際空港 飛行中、航空機衝突防止装置に不具合が発生したことを示す計器
表示があった。
4/2 ソラシドエア ボーイング式737-800型 JA805X 大分空港 東京国際空港 上昇中、対地接近警報装置の不具合が発生したことを示すライトが
点灯した。
4/2 フジドリームエアラインズ エンブラエル式ERJ170-200STD型 JA11FJ 山形空港 仙台空港 到着後、搭載していた貨物の一部を重量・重心位置データに適切に
反映しないで運航したことが判明した。
4/2 AIRDO ボーイング式767-300型 JA01HD 旭川空港 東京国際空港 到着後の点検にて、主脚格納室内の抽気系統の配管接続部より漏
れが発見された。
4/3 AIRDO ボーイング式767-300型 JA602A 東京国際空港 旭川空港 出発準備中、客室内の防水携帯灯が不作動であることを発見した。
4/3 AIRDO ボーイング式737-700型 JA11AN 東京国際空港 新千歳空港 進入中、航空機衝突防止装置の回避指示に従って回避操作を行っ
た。
4/3 ANAウイングス ボーイング式737-800型 JA51AN 新千歳空港 関西国際空港 進入中、対地接近警報装置の作動により回避操作を行った。
4/4 ANAウイングス ボンバルディア式DHC-8-402型 JA859A 中部国際空港 新潟空港 運航乗務員が服用を認められていない薬品を服用していたことが判明
した。
4/5 日本航空 ボーイング式787-9型 JA863J ジャカルタ 成田国際空港 到着後の点検にて、鳥衝突による第1エンジンの整流板の損傷を発
見した。
4/6 全日本空輸 ボーイング式737-800型 JA85AN 新千歳空港 中部国際空港 離陸時、航空機衝突防止装置に不具合が発生したことを示す計器
表示があった。
4/6 スカイマーク ボーイング式737-800型 JA73NP 東京国際空港 神戸空港 着陸復行中、誤った認識により管制指示高度を逸脱した。
4/6 日本エアコミューター ボンバルディア式DHC-8-402型 JA850C 奄美空港 鹿児島空港 進入中、対地接近警報装置の作動により回避操作を行った。
4/6 ANAウイングス ボンバルディア式DHC-8-402型 JA463A 大阪国際空港 熊本空港 進入中、対地接近警報装置の作動により回避操作を行った。
4/6 全日本空輸 ボーイング式777-300ER型 JA732A シカゴ 成田国際空港 到着後、主脚のタイヤが部分的に剥がれていることが発見された。
4/6 日本航空 ボーイング式737-800型 JA315J 台北(桃園) 中部国際空港 到着後、前便にて取り下ろすべき貨物が、降ろされなかったため無
申告で危険物を輸送したことが判明した。
4/8 AIRDO ボーイング式737-700型 JA11AN 新千歳空港 東京国際空港 飛行中、機内放送システムに客室と操縦室間の通話が不通になる
不具合が発生した。
4/8 ジェットスター・ジャパン エアバス式A320-232型 JA18JJ マニラ 成田国際空港 整備委託先において、使用が認められていない資材を使用して整備処



https://www.mlit.go.jp/koku/15_bf_000188.html
航空輸送の安全にかかわる情報

航空輸送の安全にかかわる情報(平成30年度分)(令和元年7月30日公表)
航空輸送の安全にかかわる情報(平成30年度分)別冊(令和元年7月30日公表)

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